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病気のお話
若年性特発性関節炎には、どのような症状がありますか?
主な症状

どのタイプにも共通するのは、慢性的な関節の炎症です。関節に炎症があることで、痛みだけでなく、赤くなる、腫れる、熱をもつ、動かしにくいなどの症状がみられます。適切な治療を受けないと関節破壊が進行して、関節としての機能が果たせなくなることがあります。
各タイプに特徴的な症状
全身型
弛張熱(特徴的なパターンを繰り返す発熱)、リウマトイド疹と呼ばれる発疹、関節炎が主にみられる症状です。胸膜炎(肺と胸壁の内側をおおう膜の炎症)、心膜炎(心臓をおおう膜の炎症)、肝脾腫(肝臓と脾臓が大きくなっている状態)をともなうこともあります。全身型ではマクロファージ活性化症候群(MAS:コントロール不能な発熱、リンパ節の腫れ、肝脾腫などをともなう)と呼ばれる重大な合併症を起こす可能性があるので、注意が必要です。
少関節炎
発症6ヵ月以内に炎症がある関節が1〜4ヵ所に限られています。膝をはじめとする下肢の関節に炎症がおこりやすいとされています。適切な治療をすることで関節の機能を良好に保つことができます。抗核抗体(ANA)という検査が陽性の場合は、ぶどう膜炎という目の病気を合併しやすいので、定期的な眼科検診を必要とします。
多関節炎(リウマトイド因子陰性/陽性)
発症6ヵ月以内に炎症がある関節が5ヵ所以上でみられます。左右の同じ関節(左右対称)で痛みや腫れがみられることが多く、手や指の小さな関節をはじめ、肘や膝などの大きな関節、さらには首や顎の関節でも炎症がみられます。とくに、顎の関節の炎症を放置してしまうと、顎の成長が障害され小顎症や咬合不全(歯の咬み合わせが悪くなる)をおこす可能性があるので注意が必要です。微熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状をともなうこともあります。