あなたの症状の強さはどれくらいですか?
DAS「症状の強さ」評価指標
関節リウマチの症状の強さを数値で示すDAS(ダス)。DASを知り、より効果的な治療を受けるためにお役立てください。
注意
:DASの数値は、患者さんひとりひとりの状態や測定のタイミングなどによって異なります。
また、DASの測定は主治医の判断により行われますので、主治医にご相談ください。
DAS(ダス)って何?
新しい薬の登場で、関節リウマチの治療はいま、大きく変わろうとしています。患者さんひとりひとりの現在と10〜20年先をみすえた高い治療目標の設定、およびQOL(生活の質)の向上が重要視されるようになりました。
関節リウマチ治療の目安になる「DAS(ダス)」
現在の症状の程度を知り、より良い治療を受けるためには、治療の目安となるものが必要です。高血圧では血圧、糖尿病では血糖値を治療の目安とするように、関節リウマチではDAS(Disease Activity Score:疾患活動性スコア)という指標が使われるようになってきました。
DASは患者さんの痛みの訴えだけでなく、関節の検査、血液検査を組み合わせて、関節リウマチの症状の強さを総合的に評価し、具体的な数値として表すものです。DASには44関節を調べるDAS44と、28関節を調べるDAS28の2種類があり、一般的にはDAS28がよく使われます。
DAS(ダス)でこんなことがわかる
関節リウマチの「症状の強さ」がわかります。
関節の痛みや腫れ、赤沈やCRP、体調は患者さんひとりひとり異なり、また日々変動するものです。それにともなってDASも変動し、症状が軽いほどDAS(ダス)の数値は小さくなります。
薬の効き目、治療の効果がわかります。
治療前後のDASの数値を比べることで、現在行っている治療の効果(薬の効き目)をみることもできます。
どうやって測るの?<病院でのシミュレーション>
では、実際にDAS(ダス)の測定が病院でどのようにして行われるかをみてみましょう。
DAS28の場合
医師が関節の評価をします
手、肘、肩など28ヵ所の関節を触診し、
- 「圧痛関節数(おさえたときに痛みのある関節の数)」
- 「腫脹関節数(腫れている関節の数)」
を調べます。

患者さんが全身の状態を自己評価します(全般評価)
VAS(注意)を使って、ご自身の体調がどれくらいかを自己評価します。
注意:VAS
100mmのスケール上で、0を「体調が大変よい(症状なし)」、100を「体調が非常に悪い」とした場合、どのあたりになるか患者さんに示してもらうものです。

血液検査をします(赤沈またはCRP)
血液を採って、赤沈(注意1)またはCRP(注意2)で炎症の程度を測ります。
注意1:赤沈(血沈)
赤沈は赤血球沈降速度の略で、炎症が強いほど速度が速く(数値が高く)なります。
注意2:CRP(C反応性たんぱく)
体内で炎症や組織の破壊が起きると、血液中にあらわれるたんぱくです。炎症が強いほど、数値が高くなります。

以上の結果をもとに、医師が計算してDAS28を求めます。

DAS(ダス)を知って、積極的な治療参加を
DAS(ダス)は、医師の評価や検査結果に加え、患者さんの自己評価も組み入れた総合的な指標です。今の症状はどれくらいの強さなのか、薬はどれくらい効いているのかなどを知ることができ、より効果的な治療につながります。
患者さんも医師の評価や検査結果を聞くだけでなく、積極的に関節リウマチの治療に参加しましょう。より満足のいく生活を送れるよう、医師との充分なコミュニケーションを積み重ねてください。
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2023年4月作成 ENB47M017A