エンブレルの基礎と臨床データ

エンブレルの作用機序

作用機序

監修:慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科 教授 竹内 勤先生

エンブレルは、ヒトTNF可溶性レセプター2分子とヒトIgG1のFc部分を融合させた製剤です。
TNFα及びLTαに対するおとりレセプターとしてこれらを捕捉することで(レセプター結合反応)、関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎の炎症や関節破壊に関与する過剰に産生されたTNFα及びLTαと細胞表面のそれらの受容体との結合を阻害し、抗リウマチ作用、抗炎症作用を発揮します。

関節リウマチ / 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎の場合 エンブレルの作用機序
  1. 1TNF(TNFα及びLTα)と結合
  2. ・エンブレルは、人体に存在するモノマーの可溶性TNFレセプターと比較し、50倍のTNFとの結合親和性を有します1)
  3. ・TNFα及びLTαのいずれにも結合し、その結合は可逆的です。
  1. 2TNF産生細胞上のTNFと結合
  2. ・TNF産生細胞上のTNFに結合しても補体依存性の細胞傷害活性を誘導しません。

1)Mohler, K. M. et al.:J Immunol 151(3):1548, 1993

TNFを介した炎症と関節破壊のメカニズム

監修:慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科 教授 竹内 勤先生

TNF は関節リウマチにおけるサイトカインカスケードの最も上位に位置し、関節を構成する種々の細胞に作用することにより関節リウマチにおける炎症や関節組織破壊過程の主な原因となります。

TNF産生細胞の活性化(マクロファージなど)

TNF は、血管内皮細胞、滑膜細胞、破骨細胞、軟骨細胞など関節を構成するさまざまな細胞に作用し、炎症や関節破壊といった関節リウマチの病態に深く関与します。

炎症反応とTNFα・ LTα

炎症反応とTNFα・ LTα

竹内 勤:Drug Delivery System 19(2):95, 2004

エンブレルの構造と特性

エンブレルの構造と特性

構造上の特性2)

  • 2量体のため、生体由来のTNFα受容体(単量体)より親和性が50倍以上高い
  • ヒトIgGのFc部分を結合させたため、生体由来のTNFα受容体より半減期が5~8倍長い

1)Tracey, D. et al.:Pharmacol Ther 117(2):244, 2008

2)高田 和生:炎症と免疫 13(3):296, 2005